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東京都庁=東京都新宿区

 東京都は来春から職員採用試験(新方式)の日程を1カ月前倒しし、内容を簡素化する。応募人数の低迷が続く中、今年度の合格倍率は1.6倍にまで落ち込んだ。早期化する民間企業の採用活動も踏まえ、併願できるようにすることで受験者の掘り起こしを狙う。

 都の大卒者向け採用は、教養試験や論文がある「一般方式」と適性検査やプレゼンテーションで評価する「新方式」がある。新方式は公務員試験対策の負担軽減のために2013年度から導入した。

 都人事委員会によると、20年度の応募人数は一般方式で5078人(合格倍率3.6倍)、新方式で964人(同4.1倍)だったのに対し、24年度は一般方式が2980人(同1.6倍)、新方式が829人(同1.7倍)。早期に民間企業の「内々定」が出たという理由で新方式の辞退者も増えている。

 受験者減に歯止めをかけようと25年度から新方式の試験を1カ月前倒し、3月に実施する。試験内容も1次試験を民間企業でよく使われているテストセンター方式の適性検査「SPI3」だけに簡略化。さらに、面接がある2次試験と3次試験を統合することで1日で全ての選考が終わる。

 また、大学4年生や中途採用者を対象としていた「秋採用」は、3年生まで受験資格を広げ、学生の早期確保も狙う。他の自治体ではまだ例がないという。

 人材確保策は、採用試験以外…

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